噛み合わせ不良の種類(1)~接触が早過ぎる箇所がある

噛み合わせ治療が難しい最大の原因~2つの早期接触~

歯並び写真 早期接触とは、歯がかみ合うときに最初に接触する部分のことを言います。

このように一言で言ってしまうと、とても簡単なように聞こえてしまいますが、これまでは、この早期接触こそが、噛み合わせ治療において歯科医師・患者様の双方を悩ませている最大の原因でした。実は、この早期接触には、まったく違う2種類のパターンが存在します。

このことは歯科の分野でもあまり知られておらず、それがこれまでの噛み合わせ治療を難しくしていた原因でもあります。

最初の治療は早期接触除去。しかし…

私たちは安静状態でいる時、つまり全身の力を抜いてリラックスしている時は上下の歯は離れているのが一般的です。

この安静状態からゆっくり噛み合わせをしていった時、上の歯と下の歯が出来るだけ広い面積で同時に接触する、つまり出来るだけ沢山の歯同士が出来るだけ均一に接触することによって、噛み合わせが安定します。

もしどこか特定の場所だけが先に当たったり、強く当たったりすると、下あごがスムーズに動かなくなります。すると、無意識のうちにそこを避けたり、その接触箇所事態が物理的にも正しいあごの動きを阻害することになります。つまりは、早期接触によって「正常の動き」と異なった軌跡を描いて噛み込みを行うようになるのです。

また、おかしくなるのは顎の動きだけではありません。それにあわせて筋肉も変化し、これが顎ずれを起こしたり、またぶつからない場所を探して動きが一定化しないため、余計に噛み合わせが不安定になる要因となっていきます。このように、どこに早期接触があるか正確に把握しその除去をすることは、噛み合わせ治療を行っていく上で、最初に行わなければならない不可欠な処置です。ところが、実際にこの早期接触を正確に探し出すことは、実は簡単なことではありません。

見かけ上の早期接触は重心的に正しくない

この早期接触には2つのパターンがあります 。これについて症例を交えてお話したいと思います。1つは、私達が「今」静かに口を閉じた時最初に触れる歯と歯です。

「今」と表現したのは、そもそも早期接触がある場合、前述のように、それを避けるために顎が「正常な動き」をしていない現実があります。このように、本来正しくない状態、つまり習慣的にそうなってしまった状態での「早期接触」を「習慣性咬合位早期接触」といいます。

2つめは、重心的に安定した、つまり、正しい顎の位置における早期接触です。これを「重心咬合位早期接触」といいます。これは身体が最も安定する、重心の取れた顎の状態で起こっている「早期接触」ですが、こちらは「習慣性咬合位早期接触」と異なり、歯科医療の場においてほとんど考慮されない早期接触です。

「習慣性」の場合は、「今」目の前で起きている早期接触なので、見た目にもわかりやすいですが、そもそも誤った顎の位置での早期接触ですから、これを治しても根本的な解決にはなりません。これが、今まで噛みあわせ治療において、多くのドクターを悩ませていた原因です。

OBCではじめてわかる、正しい位置での早期接触

下の写真をご覧ください。

改善例1

この写真を見る限り、歯がしっかりかみ合っているように見えます。実はこのケースは、患者さんには早期接触の自覚はないものの、なんとなく噛み合わせがおかしいということで来院されました。そこで、正しい顎の動きを再現する「OBC」を装着し、顎の動きをシミュレートすると、次の写真のようになります。

改善例2

こうしてみると、写真左から3番目、4番目の歯が先に接触していることが分かります。

患者さん自身には早期接触の認識はなくても、実際には早期接触を起こしているというケースはとても多く、あるいは、早期接触があっても「正しい顎の動きをした場合に、どこが早期接触しているか」を把握するのは極めて困難になります。

残念ながらこうした早期接触は医療側にも見えていないことが多く、その狭間に苦しんでいる患者様が世の中に多数いらっしゃいます。実際、このケースで正しく早期接触を発見できる医院はかなり少ないのではないかと思います。

なお、早期接触を原因とする症状は、次のように幅広く多岐に渡ります。

1… 片側噛み(常にどちらかでしか噛めない)
2… 噛むと痛い、腫れる、出血する、排膿する
3… 動揺してくる
4… しみる
5… 力が入らない
6… 食片圧入
7… 歯牙あるいは歯根の破折
8… どこで噛んでよいか分からない
9… 舌や頬を噛んでしまう
10… 口内炎がよく出る
11… 強く噛みしめている
12… 歯軋りする
13… 歯並びが変わる
14… その他

当センターのSASO式の噛み合わせ治療では、「OBC」を使用することで、二種類の早期接触を一体化して把握し、適性な位置、そして適性なあごの動きへと調整していきます。