代表的な症例~S.Fさん

基本データ

S.Fさん
年齢・性別 30代女性
主な症状
-他医院で矯正治療後、体調不良が続き、持続して立つことができなくなった。集中力も低下し、看護師の仕事が続けられない。
- 生理痛がひどい。よくつまづく。


治療の概要

・初診時の所見
初めて来院されたときは、付き添いの方に手を引かれて階段を上ってこられました。このときもまだ矯正治療後のリテーナー装着中でしたが、見た目はきれいになっていました。
OBCで診査したところ、前歯しか噛み合っておらず、奥歯が両側とも浮いた状態でした。

・治療の概略
まず、OBCで重心がバランスする顎の位置をきめ、重心プレートによって、下あごの位置の安定を図りました。その後、インプラントを埋入し、さらに自分の歯で噛めるように、浮いた奥歯の高さを高くするため、補綴物(かぶせもの)を装着しました。

・治療後の所感
すべての症状が改善され、姿勢も良くなりました。集中力も増し、体も増強してまた仕事ができるようになりました。この10年間、上向きで寝ることができずにいたそうですが、今回の治療により初めて上向きで休めたそうです。

治療前後の変化

口腔内写真

治療前
治療前
他医院で矯正後、インプラント希望で来院されました。写真からは一見きれいな歯並びで、健康的にみえます。ところが、ご本人は矯正治療後から首が張って頭が重く、ボーっとしていてやる気がでない。また、上向きで眠れず、下向きで寝ても疲れがとれない。集中力がなく、心に体がついていけない。生理痛がひどい。などとおっしゃっており、とてもこの写真からは想像がつきません。ただ、前歯の噛み合わせがやや深めで、顎の動きにゆとりが無いのが多少気になりました。
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治療後
治療後
写真をみていただくと、顎の位置が変わって、前歯も奥歯もかみ合わせが高くなったのが分かると思います。体の求める位置に筋肉が自然に誘導して、この高さと位置が決まります。現在、仮歯でその位置をキープしており、最終的に安定したことを確認したら補綴物(かぶせものなど)を製作します。

全身写真

治療前
治療前
側面から見ると、やや前傾姿勢をとっていることがわかります。おそらく鼻呼吸がしづらいはずです。いわゆる酸欠状態で、集中力が維持できない原因ではないかと推察されます。前傾姿勢は体に大きな負担がかかり、内臓も後方に移動してバランスとることになります。さらに、右手の位置をみていただくと、後方に位置してバランスをとっていますが、実は本人にこの自覚はありません。
また、肩の傾きにも影響がみられます。ヒップレストテストでも、体の重心が乱れていて、フラフラしたり足が上がらないなどの症状を確認できました。これは体が緊張しないと立っていられないことを意味します。
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治療後
治療後
前傾姿勢がなくなっているのがわかります。呼吸もスムーズになったそうです。
また、右手の位置をみていただくと、前方に移動しているのがわかります。これは前傾姿勢から体が起き上がったことを意味しています。左右の肩の傾きもとれて、体の緊張感がなくなりリラックスできています。
前傾姿勢がなくなると自然と鼻呼吸できるようになるので、酸素が十分に頭部や足に運ばれます。その結果、痛み、冷えが減少しています。また、内臓の位置も正常になったため、腹痛や生理痛からも開放されました。さらに顎の位置の安定化によりだ液も増えて免疫効果が高まります。皮膚のつやも良くなったようです。

T-scan(噛み合い方)

治療前
治療前
ご覧いただいてお分かりのように、ほとんど噛めていません。噛もうとする筋肉の力自体は100%あるのに、わずか1秒間で60%ぐらいになってしまっています。左右の噛み合わせも不安定です。写真では矯正治療のおかげでとても綺麗にみえましたが、そこからはまったく想像できない状態です。
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治療後
治療後
明らかにバランスが取れていることがわかるかと思います。左右のバランスもよく、かみ合わせの力も最後まで100%維持できています。グラフも最初はデコボコでしたが、直線的になって安定していることが分かります。噛み合わせのブレがなくなりました。

治療後の感想(院長より)

患者さんは誰でも健康でありたいと願っています。矯正治療も、歯並びをよくすることで、見た目にもよく、しっかりものが噛めるようになるだろうと思ってのことではありますが、それがお口ばかりか体全体にも影響を及ぼすことを十分に理解していただきたいと思います。
実は、多くの方が適切な顎の位置でものを噛めていないという実情があります。ところが、今回の例でもお分かりのように、顎の位置をOBCで安定させることで、姿勢が良くなり呼吸や内臓機能も良くなっていきます。
うつ伏せ寝状態が10年続いていたのが、上向きで休めるようになるという今回の症例を通して、改めて、OBCによる安定した顎の位置(体が自然に求める顎の位置)の決定の重要性を痛感しました。
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