代表的な症例~K.Oさん

基本データ

K.Oさん
年齢・性別 50代男性
通院期間  2007年5月~
主な症状
‐顔(アゴの部分)が曲がっている
‐右の脇の下から腰にかけて、するどい痛みが走ることが時々あった。
‐お風呂上りの立ちくらみ
‐痛みや顔の歪みがどんどんひどくなるのではないかと心配


治療の概要

・初診時の所見
初めて来院されたときは、整体やご家族に「顔がゆがんでいる」と言われていたそうです。毎月数回の偏頭痛もあり、その他、風呂上りにフラフラしたり、首や背部左右にも痛みがある(首から腰にかけて痛みが走る)とのことでした。実際には顔の歪みはほとんどありませんでしたが、筋肉の触診では緊張が強く、バランステストでは身体がふらふらな状態でした。

・治療の概略
下あごの位置がだいぶずれており、それを補正しようとするがために全身の筋神経機構が働き、全身への諸症状を引き起こしていました。そのため、OBCにて重心咬合をとり、重心プレートにてあごの位置を生理的に安定させて重心をとりました。その後、定期健診でずっと微調整を行っている天然歯のわずかな咬合調整を行っています。

・現時点の所感
「偏頭痛はなくなり、ふらふらも消え、治療前の右首、背部左右の痛みも消失。顔はまっすぐになりなった」と整体の先生がコメントされたそうです。また、就寝中は枕を外して寝ないとつらいとおっしゃっていたのが、治療後は朝まで普通に枕の上で寝ていられるようになったとのことでした。
また、歯並びは外見的には綺麗で問題ありませんでしたが、一部歯肉炎を起こしていたので、OBCで調べたところ、その部位の歯牙に早期接触が見つかりました。こちらも調整後は完治しています。

治療前後の変化

治療前の状態

治療前
写真をご覧いただくとお分かりになるかと思いますが、いわゆる「受け口」です。専門的には「反対咬合」と呼ばれます。この患者さんは、これまでちゃんと歯科治療を受けていて、普段からブラッシングもしっかりできていました。

症状は右の首・肩・胸・腰の各部位に痛みがあり、さらに、顔のゆがみ・口を開けたときの「カチ」っという「クリック音」・立っているのが辛い・つまづくなど、さまざまな苦痛がありました。時には、通勤途中で電車を降りて休まなければならないほどだったそうです。

こうしたことの原因が「噛み合わせ」にあることは、なんとなく分かっていたそうなのですが、改善できると思っていなかったらしくあきらめていたそうです。たまたま、この方の奥様が当院で噛み合わせ治療を行ったのをきっかけに、ご本人も来院されることになりました。

OBCでの治療について

状態写真1 下あごがずれていますが、どうしてこういった噛み合わせになったのか、その理由を考える医師は決して多くありません。ずれていたとしても「今噛んでいる位置が最も安定している」と考えるのが一般的。「今の位置を変えてはいけない」と考える先生もいます。しかし…。
状態写真2
OBCを装着してみると、「たった一つの噛み合わせ」の位置に向かって、あごが戻ろうとします。このとき、犬歯がほかの歯より先にあたる(噛み合う)、すなわち「早期接触」があるのが分かります。実は、これが噛み合わせ不良の原因です。

犬歯(中心から3番目の歯)
はあごの動きに大きな影響を与える。

重要なのは、今噛んでいる位置はひずみのある位置で、本来の正しい位置ではないということです。一般的には「この位置で正しい」と判断してしまいますが、OBCを装着してみれば、正しい噛み合わせなっておらず、無理なゆがみが生じていることが簡単に明らかになります。

このケースの場合、OBCを装着してみると、上下の犬歯が先にあたっており、それが理由で無意識にあごをずらした噛み合わせになってしまっていたことが分かります。OBCがない状態ではしっかり噛み込んでいるように見えますが、OBCを装着して自然な(正しい)あごの動きをシミュレーションすることにより、はじめてこの犬歯の早期接触が発見できます。

これだけのゆがみがあれば、頭も不自然に傾きます。それによって身体の様々な箇所に負担がかかり、首、肩、胸、腰と影響していきます。長時間立つのが辛かったり、歩くと転んだりしやすいのには、こうした理由があります。
状態写真3
OBCによって決定した、もっとも自然な位置で重心プレートを製作しました。上下のあごが中心の位置でかみ合うようになっています。

重心プレートは装着したままでも会話が可能です。この重心プレートで補正される噛み合わせは、OBCによって「身体がもっとも楽に噛める位置」を求めた結果であり、われわれ歯科医師が「任意」に決めた位置ではありません。
そのため、違和感はほとんどなく装着感も良好で、これがないといられなくなるくらいになります。実際、この患者さんも身体全体のバランスが正しく補正され、長時間の歩行や転倒・つまづきもなくなり、身体の各所の痛みや顔のゆがみも改善しています。

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